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NEURAL GP network 島根県発・総合診療医養成プロジェクト

第15回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会 上西凜太郎

今年も当センターから医学生さんが学会発表をしてくれました。

島根大学医学部医学科 3年生 上西凜太郎

島根大学医学科

3年の上西凜太郎です

「凜太郎から見た 離島医療の原点に迫るオキフェスが100倍盛り上がった訳 〜学生が企画運営に関わる意義と未来〜」という題で第15回日本プライマリケア連合学術大会の学生ポスターセッション部門での発表について報告させていただきます。

【発表概要】

2023年夏に隠岐島で5年ぶりに開催された離島医療の魅力をいっぱいに詰め込んだ離島医療の祭典「オキフェス」に今回学生が実行委員として初めて関わり、医学生1名と看護学生2人とで隠岐島島民の方と一緒にプライマリケアのACCCAを用いたロールプレイ企画などを実施しました。

離島医療の魅力を発信するイベントに学生が企画から関わることの意義について発表を行いました。

【感想】

 私は高校までを沖縄県石垣島で育っています。離島の医療についてどう改善、盛り上げていけるのか、自分にできることがないのか模索して医学部を目指し始めました。そういった背景もあり、島に愛着のある私にとって隠岐島は医学部入学以後かれこれ10回以上足を運んでいるとても縁深い、思い入れのある島です。その島の医療をどのように盛り上げていけるのか、島へ興味を持ってくれる医療者を増やせるのかということにとても興味と気持ちが向いていたこともありオキフェスの企画に関わることになりました。

 実際、企画に学生が関わることの意義については参加者層に学生や若手が多いことから参加者の世代や目線に近い企画の実現や学生運営と共働した病院職員のモチベーションの向上にも寄与するといった声が聞かれました。また、職種を超えで同じ現場についてフラットな関係性で思案する機会を持ちたく看護学生2人にも学生運営に加わっていただい他のですが、大学の授業の中で医学科と看護学科の交流がなかなかないこともありお互いの職種への理解や多職種間の関係性の構築の意義があったと感じています。学生企画ではプライマリケアのACCCAに基づくロールプレイを隠岐島民の方にもご協力いただきながら実施しました。基本的な内容でありながら現場の医療者(研修医)にとっても内省する機会となり、学生にとってはそういった先輩方の姿や意見を聞きながら自身の目指す医療者像の構築にもつながりました。

 今回で総合診療センターからJPCAでのポスター発表は3回目になりました。学内・学外での活動や勉強を通じて関わる地域と人の幅も増え、会場では同じ志を持つ仲間にも多く出会えるようになりました。発表には同じ興味を持つ学生やお世話になっている先生方に見に来て頂けたことは素直に嬉しく思いました。発表後に隠岐島にとても興味があるという高校生が話しかけに来てくださり、なぜ隠岐島に関わろうと思ったのか、医学生としてどのような関わりしろがあったのかなど意見交換を行いました。

今回は2年生の野田さんと2人で現地発表に臨みました。今まで先輩に教わりながら発表に向かっていた自分にとっては初めて島根大学の後輩と一緒に発表準備を進める機会となり、低学年ながら様々にアンテナを張り果敢に行動する彼女の姿勢にとても感銘を受けました。共に歩む仲間が身近に増えることに喜びを感じつつ、これからの医療像を模索し続けたいと心から思います。

最後にいつも自分の模索とチャレンジを後押ししてくださる小田川先生、白石先生、和足先生、坂口先生をはじめとする総合診療センターの先生方、いつも快く受け入れてくださる隠岐島の皆様に深く感謝申し上げます。