隠岐島前病院実習 2022.3.22-3.24
この度隠岐島前病院で実習をさせていただきました。3日間という短い実習でしたがここには書き切れないほど多くのことを感じることができました。そのうち特に印象に残った3つのことを書かせていただきます。
患者さんファースト
1つ目は患者さんファーストです。まず外来で患者さんとの関係が近く、色々な話をするために十分に時間をとっていたことが印象的でした。例えば患者さんが「今日は畑の草むしりをしたよ。」と話されていました。一見診察には関係なさそうな話ですが、運動はしていないけれど体を動かしているのだなと生活習慣の把握ができます。
「その患者さんとご家族はどう希望しているの?」カンファレンスで印象的だった言葉です。病院側がどうしたいかではなく患者さんを軸に考えているカンファレンスは何時間も続くこともあるそうです。医師だけが決めるのではなく多職種が連携して患者さんがより良い暮らしをできるように、患者さんが今望んでいることを提供するということが印象的でした。
エコー
2つ目はエコーです。「そういえば最近腰も痛いんだった。」「じゃあ“ついでに”見てみましょうか。」そう言って先生は患者さんの腰をエコーで見始めました。
島前病院では検査室用だけでなく診察室ごとにエコーがあり、そしてエコー画像・動画を撮影後すぐに病院内どこからでも先生方が確認できるシステムに驚きました。目で見えないあらゆる体の部位をエコーで可視化するので患者さんも一緒にエコーを見ながら自分の状態を確認できます。それは安心感、信頼感にもつながると思いました。
総合診療の楽しさ
3つ目は隠岐での総診の楽しさです。今回の実習で島根大学4年生と秋田大学5年生の2人の先輩と出会いました。島根と秋田の違いや将来のことなど様々な話をしました。実習後の夜には佐藤先生や他の先生も交えて熱い思いを共有しながら感じたのが「楽しさ」です。
「どうして隠岐に来たんですか?」「どうして総診なんですか?」
「病気というよりもヒトに興味があったから。ここにきて本当によかった。」「初めは技術を学びに来たつもりだったけどそれ以上のことを学んでいる。」「隠岐で働くのは楽しい!」
医療従事者としてというよりも地域住民として「楽しい」隠岐生活を送るのと同時に、患者さんが幸せで安心できる医療を提供したいという熱意を島前病院のスタッフ全員で共有している印象を受けました。そのことは「病気をみるのではなくて人をみたい」と思う私自身にとって大変刺激になりました。
今回の実習で「一人よがりではなく地域の方々と支え合い、助け合いながら患者さん中心の医療を提供している姿」、そして「島前での生活を楽しむ姿」が見られました。短い間でしたが大変多くのことを学ばせていただきました。
最後に
最後に隠岐島前病院の先生方、看護師さん、事務さん、その他のスタッフの皆様、そして見学させてくださった患者さんの皆様に感謝いたします。3日間ありがとうございました。
島根大学医学部3年 水野紅桃子(みずのことこ)