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NEURAL GP network 島根県発・総合診療医養成プロジェクト

波佐小学校で講師体験!!医学科2年藤澤舞

 島根大学医学部医学科2年藤澤舞です。2月16日に波佐小学校を訪問し、学校保健委員会の講師役として講演とワークショップを行いました。
「メディアとの上手な付き合い方」というテーマで1~6年生までの児童とその保護者、そして波佐小の先生方と一緒にメディアの使い方について考えました。
【経緯】
 学校保健委員会での講師は以前まで、波佐診療所長であり学校医でもある佐藤優子先生などが担当されていました。医学生が地域の中で行われる予防活動などに参加できると良いなぁという話をしていたところ、それを汲んで佐藤優子先生が機会を創出してくださったのが今回の学校保健委員会になります。診療所業務の多忙化などにより先生自身が講師をするのが難しくなっていたという背景もあり、メインの講師として私が演台に立って講演を行うことになりました。
【準備段階】
 12月下旬に一度波佐小学校を訪問して教頭先生や養護教諭と打ち合わせを行い、テーマや当日の流れを相談しました。波佐小学校の現状や実際の児童の様子などを教えていただき、それを踏まえて当日の発表準備を進めました。「子供とメディア」というトピックについて健康上の問題や有効とされる対策などを書籍やインターネットを用いて勉強し、小学生に効果的に伝わるようまとめていきます。1コマ分の授業を作るということで簡単な作業ではありませんでしたが、とてもやりがいがありました。

【当日の様子】
 次回以降の後任を作るという狙いもあり、他3人の医学生に見学に来てもらい、計4人で波佐小学校を訪問しました。波佐小の児童は皆積極的に発言をしてくれる子たちで、私が何か問いかけをすると指名せずとも自発的に発言をしてくれます。とても反応がよくて、不慣れな私でも楽しく授業することができました。実際にメディアの画面を見るときの姿勢を作ってもらったり、クイズ形式で回答してもらったりなど、参加型の授業を意識して行いました。後半のワークショップでは保護者の方と一緒に家庭ごとに使い方を振り返ったり、ルールを決めてもらったりしました。

【学んだこと】
 医師の仕事と言えば外来や治療など病院内での仕事が主ですが、地域に出て行って予防活動を行うことも大事な役割の一つだと思います。特に地域で働く総合診療医はそういった機会も多いでしょう。今回はそういった地域で働く医師の仕事を体験させていただくという、大変貴重な機会を得ることができました。準備の段階から主体的に進めることで実際にやってみないとわからない大変さも実感することができました。例えば、小学校には6学年の児童がいますが、1・2年生には読めない漢字もあるため振り仮名が必要です。出来るだけ簡単な表現にしなければなりませんが、簡単すぎる問題だと5・6年生には退屈かもしれません。大学の講義では習いませんが、予防のために必要な知識を全ての年代にわかりやすく伝えるスキルはとても大切だと思います。病院見学等、見たり聞いたりして学ぶ受け身的な実習も勿論重要です。一方で、実際に地域で行われている予防活動などに主体的に参加する実習では、当事者として参加することで初めて学べることも多いと思いました。
 最後に、このような機会を提供してくださった佐藤優子先生、波佐小学校の先生方、関わってくださった全ての皆様に厚く御礼申し上げます。少しでも地域の予防活動のお役に立てたのであれば幸いです。