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NEURAL GP network 島根県発・総合診療医養成プロジェクト

第14回プライマリケア学会 参加 上西凜太郎

島根大学医学部医学科3年  上西凜太郎

皆さんこんにちは!島根大学医学科3年の上西凜太郎です。昨年に引き続き今年もプライマリ・ケア学会*に参加して参りましたので、変化や発見をご報告させていただきます。

【当日まで】

昨年、先輩と先生方から学会でのポスター作成について学んだことをもとに「(凜太郎から見た⁉︎)島根の若手総合診療医が総合診療科専門医を選択した秘密」というタイトルでポスター発表に挑戦しました。総合診療センターの調査や学外での活動の幅を広げる中で島根県が総合診療に熱いということを実感し、実際、総合診療専攻医割合が日本で1番多いということを知りました。そこから島根に総合診療医がなぜ多いのかを明らかにしたくなりました。総合診療科の道に進もうと思った時期や動機、その決断に影響を与えた要因など20項目程度のアンケートを22人の卒後1〜3年目の総合診療医の先生方にお送りし、11名の先生にご回答いただきました。多くの先生が自分で現場を体感することが大きな要因になっていた一方で、総合診療科専門医プログラムの数が多すぎるという課題認識があることが浮き彫りになりました。県内の第一線で活躍される先生方の中でも僕らの少し先輩にあたる年代の方々の想いをのせたアンケートを小田川先生にご指導いただきながらポスターに納めることができました。

写真:1つめの疑問から、共に作る、凜太郎くん with 小田川先生

また、昨年同様、発表の直前に総合診療センターの先生方にリハーサルを見ていただきました。今年は6分間の発表時間が設けられていたのですが伝えたいことが多すぎたりでまとめに入る段階で7分喋っていたり39回「え〜」を連発していたりと改善点が山のようにありました。(「凜太郎から見た!」がない!とここで白石先生からご指摘いただきました😂)先生方からいただいたアドバイスをもとに何度も練習しつつ当日を迎えました。

【当日】

緊張しながら迎えたポスター発表日、発表の1時間前にはポスターの前にスタンバイして通りがかる人々にポスターの説明を繰り返しました。会場の空気感に慣れながら発声練習を兼ねて声のボリュームを調整したり、「人に伝える」ということを意識した最終リハーサルに取り組みました。本番では自分を中心に人だかりの輪ができるような状況の中での発表となりました。背後では別のシンポジウムの声がマイクを通して響き渡っており、マイクを使えない僕は聴きに来て下さっている皆さんに声を届けるのに必死でした。

 そばにいらっしゃる先生方に目線を合わせながら語りかけるように発表することを意識しました。僕の目の前には小田川先生や遠藤先生、一緒に発表に向かった先輩の山口さんと花田さんがいらっしゃり、心強さを感じながら発表できました。体感時間は一瞬でしたが時間一杯一杯でお伝えしたいことは全力で伝えられたのではないかと思います。

写真:発表の様子 タイトルの凜太郎から見た、がこだわり

昨年と比べて1番変化を感じたのは人の輪の広がりでした。前年のPC学会での総合診療医センターの活動報告のポスター発表を始め、島根県内外での病院実習や全国医療系学生団体での活動など様々な局面を通してご縁を得ることができました。プライマリケア学会自体の学生から参加しやすい空気感がさらに後押しとなり、島根内外の仲間たちとの再会の場となりました。会場へ向かう途中の電車の中から仲間たちと遭遇しながら現地に辿り着きました。何十回と挨拶を重ねながら北は北海道南は九州沖縄まで、いろんなところに仲間や、お世話になった方々が増え、温かな人の輪に包まれているのだなと実感しとても感慨深いものを感じていました。

今回は全国の医療系学生と有志の数名と運営している学生団体「ちいここ」としてもポスター発表・インタラクティブセッションへの登壇し、出雲を拠点に活動している「出雲ベース」としてのブース出展など盛りだくさんで、ゆっくりいろんなブースや発表を聞きにいく時間がほとんどない走り回り続ける学会となりました。こうした多様な活動の準備をする期間に試験が重なったこともあり、限界に挑む学会となりました。

写真:出雲ベース

【学会活動を通しての反省 2023年度版】

今回の反省の一つはポスターの完成がぎりぎりになったことです。これにより予演会でご意見をいただいても修正し印刷し直す時間を取れませんでした。(追加で別途印刷したものを切り貼りしながら対応しました。)今後は1週間前の段階でリハーサルができるところまで作っておくようにしたいです。そのために、

・自分が抱えている仕事を書き出して常に可視化すること

・作業の優先順位を常に意識する

・自分だけで抱え込まずに先生や仲間に相談する

・自分がどのような状況にあるのかを指導の先生などにまめに共有しておく

・不足の事態が起こることを前提として計画に余白を持つ

・アンケートの実施期間についても余裕を持ってご回答いただけるように作成する

これらのことを意識して次回に臨もうと思います。

アンケートを実施するにあたりご協力いただいた先生方、今回もご指導いただきました小田川先生や遠藤先生を始め、いつも背中を押してくださる和足先生、白石先生全ての方に心から感謝申し上げます。またコアメンバーミーティングでもフィードバックをいただいた話し方や構成、ポスターの内容や調査への考察の精度などを研鑽し、来年また成長した自分を皆さんにお見せ出来るように精進したいと思います。

島根大学医学部医学科3年  上西凜太郎

*第14回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会

※発表資料を添付します。