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NEURAL GP network 島根県発・総合診療医養成プロジェクト

勉強会を開催!医学部3年泉妻胡桃

「自己紹介」

こんにちは。島根大学医学科3年の泉妻胡桃です。

大学では、剣道部と地域医療研究会に所属していて、その他にプライマリ・ケア連合学会学生研修医部会(PCs)中四国支部の副支部長をしています! 今回、副支部長として総合診療医センター坂口先生に社会的処方と健康格差についてのセミナーをお願いしました!PCsの活動について多くの方に知って頂きたく、坂口先生と相談し、この記事を書かせてもらっています!

「プライマリ・ケア連合学会学生研修医部会(PCs)とは?」

PCsでは、月に1回オンラインミーティングを行っており、緩く活動しています。他大学の人たちと集まって雑談したり、時には地域医療や家庭医療について勉強をしたりと自分たちの好きなペースで参加できるのがPCs中四国のいいところです。

「社会的処方?」

今回のテーマである社会的処方について学びたいと思った理由は、病院実習での問診体験でした。病気だけではなく、患者さんの生活背景も大切だということは分かっていても、いざ患者さんを目の前にすると上手く言葉にすることができず、後から「あれも聞いておけばよかった、、、」となることが多かったです。本格的に病院実習が始まる前にまずは患者さんの背景をみるということに慣れておきたい!と思い、この企画を考え坂口先生に相談しました。

実際、坂口先生から約1時間のセミナーを受けて、患者さんの背景には見えないことがたくさん絡んでいるなぁとしみじみ思いました。

「健康は自己責任?」

私は、生活習慣病と言われる疾患には何となく自業自得とか、怠けた結果という悪いイメージがついていました。しかし、「生活習慣病になった背景は考えたことがありますか?たとえば患者さんは高卒で、大工として働き毎日朝早くから夜遅くまで肉体労働です。食事は、スーパーで割引きされた揚げ物を毎日食べられている生活かもしれない」という話が参加者との対話で出てきました。今まで自分は、生活習慣病は患者さんの生活だけが関与する病気という認識でいましたが、実際は患者さんが変えようと思っていてもどうにもならない、社会経済状況や文化、健康リテラシーなど生活背景の後にもっと大きな問題が隠れていることを知りました。

医師「だけ」で患者さんの抱える、社会的課題を解決しようとする必要はないことも先生は教えてくださりました。社会的処方の活動にはリンクワーカーが重要な役割を果たしており、患者さんとはじめに関わる立場にある医療者がやるべきことは、その人の社会経済的課題を発見し、地域社会へつなげるステップを踏む支援をすることだと分かりました。

「これから私がやってみたいこと」

決して医療機関だけで患者さんのサポートを完結する必要はなく、他の職種の得意分野を発揮してもらえばいいということです。「処方」には医師からの指導とか、出して終了といったニュアンスを感じますが、社会的処方で大切なのは地域とのつながりを築いた後にその患者さんの生活に伴走することです。

私は、この部分こそやはり家庭医や総合診療医、地域医療の強みでもあり、得意分野だと思っています。これから臨床実習に入る前に、座学だけでは学ぶことの難しい、患者さんとの関わり方や地域との繋がりについて知識や経験を積んでいきたいと改めて感じるセミナーになりました。

仲間である山口大学の村重さんとこれからも楽しみたいと思います!(写真は村重さん)