地域だけではない、大学だけでもない、持続可能な成長をし続けるための総合診療ニューラルネットワーク

NEURAL GP network 島根県発・総合診療医養成プロジェクト

『よしかオータムセミナー』開催しました!

よしか病院の佐々木弥生です。
2024年10月5日(土) 吉賀町で開催された『よしかオータムセミナー』について紹介します!!

2024年3月1日より新体制でスタートとなった「よしか病院」。吉賀の地に“持続可能な医療のカタチ”を構築したい、と誰もが願っている状況だけれどもまだまだ課題は山積しています。 そんな中で、吉賀の医療を盛り上げたい、地域の医療を持続可能なものにしたい、と願い頑張っている人たち同士が繋がれる機会を設けたい、という思いからしまね総合診療医センターとよしか病院が手を取り合い開催・企画に至りました。

当日は関係者含め総勢70名の方が集まり、吉賀町だけでなく津和野町や益田市など益田圏域からも医療関係者が集まり、医師、看護師、薬剤師、栄養士、リハビリ職員、社会福祉士、事務職員、行政職員、医学生や高校生など多職種、いろんな立場の方々が参加されました。

セミナーは2部構成となっており、第1部では3名の講師からお話をしていただき、ディスカッションや質疑応答を行いました。

離島医療の経験をお持ちの白石吉彦先生からは“総合診療医の役割”“島根の総合診療医育成状況”などについて、益田赤十字病院で若手育成にも尽力されている岡本栄祐先生からは“益田赤十字病院・総合診療科の取り組み”“小児の救急外来受診状況”のお話を、総合診療科立ち上げのご経験のある茂木恒俊先生からは“立ち上げや運営の苦労”“総合診療医としての小児患者への関わり方”といったお話をお聞きしました。

「地域の医療」といえども様々な見え方があり正解は1つではないこと、わかるようでわかっていなかった“総合診療”のこと、など講師の話からたくさんの「気づき」を得ました。そして、何より参加者それぞれの「地域医療のあり方」というイメージの解像度が上がったのではないでしょうか。

「あなたにとって『総合診療』とはどんなイメージですか?一文字で表現してみましょう」と、問いかけてみたところ、第1部の開始前(黄)と後(青)では表現される文字が変わったのが見てとれます。

そして、第1部の締めにみんなで”ブレインストーミング”を行いました。
テーマは「話を聞いてみて思い浮かんだ感情や想いを書き出してみよう」、「職場でできたらいいな、やってみたいな、あってほしいなのアイデア出しをしよう」です。
みなさん真剣な眼差しで、そして楽しそうな表情で取り組まれていました。

第2部は、社会教育士としても色々な活動をされている益田保健所長の梶浦靖二先生により進められました。お題は『ウェルビーイングについて考えてみよう』で、ウェルビーイングとは何か、から始まり、ウェルビーイングを体現するとどうなるか、と展開していく流れになっていました。そして特別ゲストとして吉賀町内でワクワクを大事にしながら活躍している5名の「ワクワクパーソン」にお越しいただき、ご自身の活動とわくわくポイントの紹介の後はグループに分かれて交流を行いました。

・夫の都合で都会から吉賀町に移住してきて困惑の日々を過ごす中で、田舎からもんぺ作りを発信しようと目覚めてしまった洋裁師。
・教員生活にひと区切りをつけて高津川を愛し、そして川遊びを通して子供達と関わり続けながら農業を営む半農半Xの方。
・地元で自然を愛し癒され、有機野菜を通して地域活動を行うレストランオーナー。
・2008年にアメリカから吉賀町にやってきて、ALTとして子供達と触れ合い、結婚・子育ても経て吉賀町永住をすでに誓う方。
・ヒト・モノ・コトを良好な形でつなぎ、小さく素晴らしい価値を発信し地域をよくすることに全力投球の公民館主事。

普段、病院や職場で過ごすだけでは出会えてなかった人、知ることがなかったかもしれない活動、など新たな発見や繋がりが生まれた時間となりました。魅力的なワクワクパーソンの話を聞いて、それぞれの人生のあり方、という少し壮大な視点だけれども「自分にとってウェルビーイングとは?」と、自身の生活を見つめ直すきっかけになるような機会でした。

あっとゆう間に時間はすぎ、もう少し話をしたいな、というような余韻の残る状況でお開きとなりました。参加者それぞれに“気づき”と“つながり”が生まれた会となったと思います。

1日の締めくくりに第3部として意見交換会を行い、30名ほどが参加されました。少し季節外れのBBQでしたが、高津川の美味しい鮎、有機野菜、大事に育てられたお肉、地元のお酒、を味わいながら互いに交流を深めました。会場は吉賀町にある山奥のログハウスということもあり、携帯の電波が届かないというハプニングがありましたが、インターネットに繋がらないという非日常の中で人とのつながりに集中できた貴重な時間でした。

そして最後に、ご参加いただいた方、そして準備からご支援いただいた方々に、改めてお礼申し上げます。皆様のご協力ご支援により、大盛況にセミナーを終えることができました。誠にありがとうございました。