地域だけではない、大学だけでもない、持続可能な成長をし続けるための総合診療ニューラルネットワーク

NEURAL GP network 島根県発・総合診療医養成プロジェクト

東京の総合診療から学ぶ


よしか病院の佐々木弥生です。

先日、東京都立駒込病院・総合診療科へ伺いました。

訪問の目的は、「“総合診療科”のいろいろなあり方を知る」です。

よしか病院にも“総合診療科”はありますが、私は、これまで救急医療というフィールドで働いてきており、実はまだまだ地域医療や総合診療というフィールドについてはよくわかっていないのが実情です。

そこで、いろいろな総合診療のカタチを見てみたいなあ、と思うようになりました。そんな時にセンターの坂口先生が声をかけてくださり、東京の総合診療を見に行ってみよう!となりました。


訪問させていただいた病院は『がん・感染症センター 都立駒込病院』です。

同院の総合診療科は“がん”や“感染症”診療の強みをもち、かつ外科医も所属するという特徴がありました。総合診療科の先生方からお話を聞く過程で、総合診療ということはもちろんですが、自身のキャリアアップや能力向上についても気づきとなることが多々ありました。

私が、普段診療している(と思っている)感染症はいわゆるcommon diseaseであり、訪問中にお聞きした症例の数々は、1歩2歩3歩先の感染症診療のように感じられ、とても奥行きのある深みのある診療だと思いました。自身の感染症診療を振り返る機会となり、またどのように学んでいくべきかのヒントをもらえた気がします。

また、これまでの私の総合診療科のイメージは内科的要素が強かったですが、総合診療科に外科医がいるということは外科的処置の技能習得や経験が可能であり、癌診療におけるCVポート増設や管理も総合診療科の範疇で対応できるという強みであると感じました。

私自身、頭のどこかで「外科的処置=外科系診療科がやるもの」という固定観念を持ってしまっていることに気づかされました。例えば、ポート増設は“外科”がやるもの、というように。ジブンゴトで考えると、これまで救急医として縫合や脱臼整復など自分たちでできる範疇の診療はやってきていました。

それと同じく、“総合診療科”でもできる範疇のことをやる、またはできるようになるために学び・習得し守備範囲を広げていく、ということに今更ながら気づくに至りました。

言われてみれば当たり前のことなのに、そこに気づけなかったのはなぜなのでしょう。

自分の居る場所で自分の視点から関心のあることだけを見みていては、みたことある景色しか見えないし、ましてや自分の立ち位置は外に出てみてみないと客観視できない。

今回は、吉賀から東京に出かけてみて、たくさんの気づきを得ることができました。

この度は貴重な機会をいただきましてありがとうございました。

坂口先生、都立駒込病院総合診療科の先生方へ感謝申し上げます。