若手医師へのコーチング~奥田さん来県~
こんにちは。飯南病院の原田愛子です。
今年の3月はまだ雪がちらつき、温かい春が待ち遠しいですね。
先日、今年度取り組んでいる若手医師へのコーチング活動の一環として、コーチである奥田麻菜美さん(https://www.manamiokuda.com/ja)とともに、コーチングを受講されている先生方のもとを訪問しました。そのご報告をいたします!
【島根の若手医師を取り巻く環境】
島根県内の地域医療に従事する若手総合診療医は、医療資源の制約や指導体制の不足がある中で、多岐にわたる疾患や多様な患者さんへの対応、時には病院運営においてもリーダーシップが求められます。
若手医師がリーダーとして活躍するためには、自己省察や生涯学習を通じた総合診療医としてのスキルアップが必要です。一方で、同世代の医師が少ないことによる孤独感やキャリア形成への不安、さらには多忙な業務によるバーンアウトも懸念されます。
【コーチングの効果】
医師へのコーチングには、以下のような効果が期待されます。
・自己省察能力の向上:自らの強みや課題を見つめ、主体的な成長を促す
・生涯学習の支援:総合診療医としての成長に必要な継続的な学習を支援する
・バーンアウトの予防
そこで、2024年8月より、へき地で勤務する若手医師を対象に、月1回オンラインでコーチングを実施しています。今回は、実際に奥田さんとともに、コーチングを受講している若手医師の勤務先を訪問し、現場の状況を直接見て、聞いて、対話をしてきました。



【現地訪問で感じたこと】
・ へき地で働く若手医師が抱える共通の課題
ー若手医師に業務が集中しやすい一方で、影響力や決定権は限られている
ー利害関係なく相談できる人や、悩みをシェアできる相手が少ない
・実際に足を運ぶことの意義
現場に訪問することで、コーチングを受けられている先生の病院での活躍や病院の規模感や歴史、職員の雰囲気などを肌で感じることができました。机上の情報だけでは分からないリアルな情報を理解する大きな機会となりました。
若手医師が成長し、バーンアウトを防ぐためには、病院の垣根を越えて同世代の医師と話し、他院の環境を知る機会がもっと必要だと感じました。こうした横のつながりが島根の総合診療の強みとなる可能性があると考えています。そのためには、このような機会の仕組みをどう作るかが課題と感じました。
さらに、奥田さんとの対話を通じて、医療業界では「当たり前」とされていることが、他業種から見ると違和感を覚えるものである場合があることにも気づきました。異なる視点を持つことの大切さを改めて実感しました。
【まとめ】
今回の訪問を通じて、島根の若手医師を取り巻く現状をより深く理解することができました。また、へき地で奮闘する先生方にお会いし、多くの刺激を受けました。
コーチングは、若手医師がへき地で活躍するための一助となり、日々の診療やキャリア形成に良い影響を与えていると感じました。
今後も、島根全体で若手総合診療医が生き生きと活躍できる環境づくりに取り組んでいきたいと思います。奥田さん、ご同行ありがとうございました。また、訪問を受け入れてくださった先生方・病院の皆さまに心より感謝申し上げます。