長崎上五島へ見学に行きました! 医学部3年堀内
医学科3年の堀内大輔です。
今年度総合診療センターに研究室配属を希望し、勉強させて頂く事になりました。
さて、今回は長崎県の上五島病院で開催された長崎県医学修学生向けのワークショップに講師として招待された白石先生のお導きにより、急遽参加させていただけることになりました。
新上五島町がある中通島は長崎県長崎市の西方およそ80キロに位置する離島です。一般的には長崎港や佐世保港から高速船で約2時間の船旅となります。

・なぜ上五島なのか?
島根県は隠岐諸島を抱えており、島後地域である隠岐の島町と人口、病院の規模が似ています。
また、長崎県は、日本一離島を抱えている県です。離島において同じように抱えている各種課題に対して、医療従事者だけでなく行政からの取り組みも含めて勉強に行ってきました。
1日目のワークショップでは地元の焼酎メーカーや介護施設の見学をさせていただきました。介護施設では、島の規模からすると非常に広く充実した設備が整っておりました。介護関係のスタッフの確保に苦戦されているとの事です。離島の現場で活躍されている先輩医師の座談会では、島根大学出身の先生も活躍されていて、色々と離島ならではのお話や島根大学時代の思い出を聞かせていただきました。
離島の現場で用いられているオンライン診察システムも実演してもらいました。年配の方が操作することが難しそうですが、今後はこういったツールを活用していくことが離島医療を支える重要な武器になるとも感じました。

2日目は白石先生の講演から始まりました。隠岐島前病院での取り組み、島根大学での取り組み、島根大学医学部総合診療医センターでの取り組みを中心に説明していただきました。特に、介護保険制度の導入の時期のお話が大変貴重なものでした。これからの時代は都心部に住む高校生たちに離島、地方に足を運んでもらい実体験を通じて離島医療に興味を持ってもらう若い世代を増やしていく事が大切です。イベントを行ったところ大変好評だったそうです。その取り組みについては関心をもつ参加者が多く、白熱した質疑応答が行われていました。
グループワークでは「未来の医療をデザインするー上五島から考える地域医療のかたち」をテーマとして行われました。人口減少、医療体制、地理的要因などの様々な要素から発表されていました。
最後に病院見学をさせていただきました。臨床検査系の装置がかなり充実していました。本土地域では検査も外注するという手法もありますが、離島では自病院での完結が求められていると感じました。同規模の病床数の病院と比較すると検査装置の充実さが特徴的でした。手術室も見学させていただきました。長崎大学から医師が日帰りで来られているという話には驚きました。近い将来には分娩を取り扱えなくなるという現実とどう向き合っていくかが課題だと説明を受けました。

・医学生へ
離島医療、へき地医療という名前だけを聞いて尻込みしてしまう医学生も多いと思います。現地に足を運んでみると違った景色が見えてきます。地域ならでの歴史や多様な方々とも交流ができた点が非常に良かったです。是非、次の機会は一緒にいきましょう。