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NEURAL GP network 島根県発・総合診療医養成プロジェクト

PSMAセミナー@和歌山医大 参加報告

島根大学の佐々木大輔です。2026年2月28日に和歌山県立医科大学で開催されたPSMA(日本ポイントオブケア超音波学会 学生・研修医支部)企画のエコーセミナーに参加してまいりました。遠藤健史先生(奥出雲病院)、三谷俊貴先生(よしか病院)、荘原直人さん(医学科6年)とともに参加しました。


今回のセミナーでは、膵臓と運動器をテーマに講義およびハンズオンが行われました。
膵臓のセミナーでは、超音波内視鏡の原理や膵がんの疫学的な特徴について説明があった後、描出の際の注意点とコツを教えていただきました。膵臓の描出は腸管ガスとの戦いであり、腸管ガスを除くために半座位などの体位変換や、(エコー界隈ではお馴染み?)ミルクティーを飲んでもらう引水法などの工夫が必要になってくることを学びました。ミルクティーを飲んだ直後は胃の中で泡立ってしまって逆に見えにくいので、飲んでから少し待つと良いというtipsも教えていただきました。ハンズオンでは、描出が特に困難で、見落としやすいということから、膵鉤部、膵頭上部、膵尾部を重点的に行いました。膵鉤部は門脈(上腸管膜静脈)と動脈をメルクマールにすると良いということや、膵体部から膵尾部にかけて右上がりになっているため、描出するときはプローブも膵臓の解剖構造に合わせて右上がりの向きにすること、膵尾部は脾臓を音響窓にすると描出しやすいことなどを学びました。

運動器のセミナーでは、肩関節と腰椎が取り上げられました。肩関節については、上腕二頭筋長頭腱の付着部位である結節間溝を“ホームポジション”として(この言い方は私が勝手に名づけました)、自分がプローブを動かしたり、患者さんに腕を動かしてもらったりしながら、上腕二頭筋長頭腱や肩甲下筋、棘上筋・棘下筋を観察するということを学びました。腰椎は、骨(棘突起・椎弓・椎間関節・横突起)は体幹に対して短軸・長軸で描出し、筋(多裂筋・最長筋・腸肋筋など)は体幹に対して短軸像で描出することを学びました。

上記のいわゆる“セミナー”部分以外で印象的だったのは、他大学にはエコーについての知識や技術が豊富な学生がたくさんいるということでした。一番印象的だったのは、グループごとにハンズオンを行っているとき(私は被験者として横になっていました)、隣のグループでとある学生がプローブのモニター上での向きを確認する方法として、「プローブの片方を傾けて被験者の体に当てて、当てている部分が白、当てていない部分は黒(何も映っていない)になるから、そこで調整するといい」ということを他の学生に教えているのを聞き、エコーを当て慣れていないと出てこないようなスキルを言語化して伝えていることに驚くとともに、他大学のエコーに対する熱量、レベルの高さを実感しました。

今回学んだことは、高度総診Cコース(エコーコース)の学生アシスタントや、5月に行われるSPL(大学対抗のエコーコンテスト)出場者に共有する予定です。また、他大学の取り組みを参考に、島根大学でも学生が主体となってエコーに取り組める環境を現在整えています。他大学に負けないくらいのエコーのムーブメントを学内に起こせるよう、これからも微力ながら尽力していきたいと思っています。

記載 島根大学医学部医学科5年 佐々木大輔