【医学生が見た島根の医療】「県全体で医療を良くする」という思い
東北医科薬科大学 医学生高木さんからの寄稿です!
先日、当センターに見学に来てくれた東北医科薬科大学の医学生高木さんから、非常に示唆に富むレポートをいただきました。一歩引いた視点から、島根の医療システムの特徴を的確に分析してくれた彼の言葉を、ぜひご紹介します。

宮城と島根、地域医療へのアプローチの違い
今回、島根大学医学部の総合診療医センターを訪問する機会をいただきました。そこで最も印象的だったのは、島根大学の地域医療に対する考え方です。
私のいる宮城県も島根県も、医師不足など地域医療の課題を抱えています。その中で宮城県は「地域での問題はその地域で解決する」というやり方が主流に見えます。一方、島根県では、例えばインターネットを用いて益田市や隠岐諸島などアクセスが困難な地域との連携を深め、「県全体で医療水準を上げていく」という考えが根底にあるように感じられました。
目標を共有し、県全体の質を上げる試み
この「県全体で医療水準をより良くする」という試みは、単に医師を増やしたり、教育方法を変えたりするだけで実現できるものではありません。地域全体が連携し、効率化を図り、今あるものを最大限に活用するという強い意志があって初めて実現できるものだと改めて実感しました。
実際に、Slack等のアプリの有効活用、病院実習中の学生との密なコミュニケーション、学生が自発的に企画・実施できる環境の整備など、限りあるリソースを有効活用し、島根県全体の医療の質を上げるための取り組みが数多く行われていることが印象的でした。
先生方の取り組みも、国の方針や現状維持といった消極的なものではなく、「島根、ひいては中国地方全体の医療水準の向上」という一つの目標に向けた、積極的な活動であると感じました。
学生のうちから広い視野を持つことの重要性
この実習を通して、将来自分が医療現場で働く際には、目の前の仕事や治療に盲目的になるのではなく、「宮城県やさらに広いスケールでの医療向上」という目標を常に意識する必要があると考えました。
そのためにも、学生のうちから先生や先輩方と意見交換を重ね、様々なイベントに参加することで見聞を広め、日本の多様な地域医療について理解を深めていくことが重要だと感じています。本実習で学んだことを心に留め、これからの勉学に励んでいきたいです。
(センターより)
高木さん、鋭い視点からのレポートをありがとうございました。私たちが目指す医療の「思想」や「システム」の部分に光を当ててくれたこと、大変嬉しく思います。このように、俯瞰的な視点で物事を捉え、自分の地域の未来を考える学生さんがいることを、私たちはとても頼もしく感じています。この素晴らしい学びが、未来の医療をより良くする力となることを信じています。
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