森夏美さん、学会発表に挑戦!
この度、医学部の森夏美さんが第65回全国国保地域医療学会in和歌山にて、総診センターの活動を発表してくれました。サポーターとして関わってくれた中村さん、藤澤さんもありがとうございました。学会の後は、和歌山県のクリニックの見学をされました。
以下、森さんの活動のまとめです。
■ 学会準備の感想
準備の段階では、小川先生や坂口先生、1年の中村さんから発表のフィードバックをいただき、「国保直診で働かれている先生からの感想」と「総合診療という診療科に聞きなじみがない人からの感想」の両方を得ることができました。
小川先生からは、「学生が発表するということを生かして、森さん自身が受けてきた教育や、総合診療医に対してどう感じたかが伝わると良いですよ」とアドバイスをいただきました。卒前教育についての所感をまとめていく中で、自分とNeural GPプロジェクトとの接点が、知らず知らずのうちに多くあったことに気づかされました。
また、中村さんからは「総合診療医の役割をどう考えているか」「なぜこの取り組みを発表しようと思ったのか」と質問を受けました。学会としては、総合診療医の国保直診維持における重要性を強調すべきですが、私がこのように発表の機会を得られているのは、総合診療医の先生方が教育に力を入れてくださっているからだと思います。発表に臨む姿勢を根本から見直すとともに、このプロジェクトの素晴らしさを一人でも多くの方に届けたいと感じました。

■ 参加した感想
初めて訪れた和歌山で、学生の発表者は数名程度だったため不安もありましたが、藤澤さんと中村さんが応援に駆けつけてくださったおかげで、リラックスして発表に臨むことができました。
質疑応答で詰まった際も、周囲の先生方がサポートしてくださり、挑戦を温かく見守ってくださったことが大変ありがたかったです。
また、初めてお会いする先生方から「白石先生には大変お世話になっております」「うちの大学も島根に倣っています」とお声がけいただくたびに、誇らしい気持ちになりました。
総合診療にご興味を持ってくださった先生からも発表後にご質問いただき、演者が学生であっても分け隔てなく接していただけたことが嬉しく感じられました。
波佐診療所の山崎さんの発表も拝聴でき、普段から学生を受け入れてくださっている方と偶然お会いできたことにもご縁を感じました。学会は成果報告の場であると同時に、知見を共有することでネットワークを広げる機会でもあるのだと実感しました。
島根発のNeural GPプロジェクトがなければ、こうしたご縁もなかったと思うと、発表の機会をいただけたことへの感謝の気持ちが一層深まりました。

■ 坂口内科・外科・往診クリニックの見学で学んだこと
坂口先生のお兄様が開業されているクリニックを見学させていただきました。休診日にもかかわらず学生とお話しくださり、エコーなどの医療機器にも触れさせていただき、貴重な経験となりました。
「医療事務さんは必ず必要で、辞められたらかなり困る」とおっしゃっていたことから、地域研修で私たちと病院をつないでくださる医療事務さんが“医療機関にとってのエンジン”というのは本当なのだと改めて実感しました。
「開業されている先生として、大学と連携して学生の見学を受け入れていただくことは可能ですか?」と質問したところ、「特別なことをしているクリニックではないので、学生さんが求めている学びを提供できるか分からない」とおっしゃっていました。しかし、クリニック見学は多くの学生にとって未知の体験であり、特に低学年ではポータブルエコーに触れるのも初めてです。そのため、“特別な体験”はクリニック自体が特別である必要はなく、日常の中にあると感じました。
ただ、往診に加えて土曜日まで診療を行い、さらに学生教育にも時間を割いていただくことは、非常に大変なことです。今回の見学も、事前準備なしでスムーズに受け入れていただけたのは、総診センターという組織のサポートがあったからこそでした。こうした病院や診療所の皆さまが、忙しい中でも学生と向き合ってくださっていることに、改めて感謝の気持ちを抱きました。
私は将来、開業を特に考えているわけではありませんが、開業医の先生がなぜその道を選ばれたのか、どのようなスキルが求められるのかを知ることができて、本当に良かったです。


ご指導くださった小川先生、坂口先生、会場まで足を運んでくださった藤澤さん、中村さん、手続きをしてくださった総診センターの今岡さん、本当にありがとうございました。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
医学部医学科 森夏美
