地域だけではない、大学だけでもない、持続可能な成長をし続けるための総合診療ニューラルネットワーク

NEURAL GP network 島根県発・総合診療医養成プロジェクト

山の神 邑智病院へ訪問しました!

和足です。NEURAL GP networkのビジョンとミッションは全くブレずに、今週は憧れの邑智病院に来ております。

 邑智病院は広大なシマネ県の中でもあまり僕も訪れた事がなかった美郷町、川本町、邑南の3町が共同で運営する自治体病院で、この広範囲の面積の中で唯一の救急告示病院です。つまり医療を集中し、それを地域で支えるという、思いやりのある院内文化とってもとっても気に入りました。

もし、シマネの総合診療教育に海の神、山の神というものがあったとすれば

海の神としては隠岐諸島でしょうね。そして、山の神は間違い無く、ココ邑智病院ではないかと思います。

まず、とても空気が美味しく、高地なので真夏の昼でも気持ちが良い病院でした。

 次に、その職員の皆様の楽しそうな感じと元気はつらつ具合に驚きました。雰囲気がよくて不思議に感じたので、この理由を徹底的に分析していたのですが、おそらく勤務する職員は地元出身率90%という地元愛と誇りが強いと感じました。おそらくは、自分たちの地域を自分たちで支えている、まるで親戚の人を迎えるように医療が提供されている状況に驚きました。

そして、何より経営戦略が素晴らしいです。経営の神様稲盛和夫さんが編み出したアメーバー経営はみなさまご存知でしょうか?

京セラ(アメーバー経営:https://www.youtube.com/watch?v=dhLlzFO-fng)より

各部門、少しでも自分たちの時間があけば隣の部門にこぞってヘルプに入り効率化を図ることが文化になっていました。これには、驚きました。

 誰一人時間を持て余さないように互助の精神で部門と病院全体の業績アップにつなげているわけですね。

これはすごいと感銘を受けていたら、やはり中小規模の自治体病院で医療施設では珍しくアメーバー経営を成功させている事で有名なようでした(事務部長の日高さんは講演に引っ張りだこらしいです)。効率的な働き方をシステム化し、各自が考えて頑張って改善させ続ける土壌が既にできている病院として実は既に有名のようでした。

そして気になる総合診療部門は・・酒井先生が東京医科歯科大学総合診療科から帰ってこられており、島根の中でも卒後3−5年目の医師が数ヶ月レベルでトレーニングするには一番良い施設かもしれないと思います(と思ったら既に自治医科大学のメインのトレーニングの場所でした)。

地域医療と、経営改善、そして総合診療は切り離せないくらい密接に結びついていますので、優秀な総合診療医を育成するフィールドとしては最高かと思います。強いて言えば、夏は最高に気持が良いのですが、冬はまだ診ていないので僕の小さい車では移動できないかもしれないと少し不安す。汗

大学(出雲)から邑智病院まで2時間弱で実は広島の方が全然近いです。その地理的要因から、広島の安佐市民病院からも研修医の先生が総合診療/地域医療の研修に来てくださっていました。当然、全力でフィジィカルと診断学を教えながら一緒にワイワイ診させて頂きました。

風通しが極めてよく働きやすいので、ここ邑智病院は若い総合診療医達が中心となって盛り上げていくことになると思います。因みに近年病院が新しくなります!! 今日はこのあたりで。