地域だけではない、大学だけでもない、持続可能な成長をし続けるための総合診療ニューラルネットワーク

NEURAL GP network 島根県発・総合診療医養成プロジェクト

プライマリ・ケア学会活動報告 渕井 陽道くん

医学科3年渕井陽道と申します。

今回、横浜で行なわれた第13回日本プライマリ・ケア連合大会学術大会に参加し、昨年度の講座配属での活動をポスター発表しました。そこで、講座配属から学会発表に至るまでの経過を日記風に、ご報告します。


・9月 総合診療センター(以下センター)の講座配属 
 1カ月間、島根県内の医療機関を回り、総合診療医と出会う。学会発表のベースとなった活動。

写真:浜田市国保診療所連合体の先生方と


・10月(発表8ヶ月前) エントリーを決めてしまう

講座配属後、臨床大講堂にて同級生に向けた活動報告を行う。この発表をもとに、地域での実習経験を学会で発表することに決めた。
 選んだのは2022年の日本プライマリ・ケア連合学会学術大会


・10月〜1月(発表7ヶ月前) 相談する場をつくる
 抄録登録に向けて、指導者がセンターの遠藤健史先生に決まる。対面と遠隔での面談を定期的に行う。
 何から始めればいいかわからず、多くの先生方に相談にのっていただく。

抄録というものを書くのは今回が初めてであり、文章の構成については、何度も相談にのっていただいた。

また、地域での実習経験をさらに掘り下げるために、各地域の比較に適したデータの提案をいただき、自身の経験を数値的に解説することが可能になった。これにより、講座配属での発表に客観性が加わり、説得力が増した。

屋内, 人, テーブル, コンピュータ が含まれている画像

自動的に生成された説明
・1月 抄録登録(発表5ヶ月前)
 学生発表の演題登録(ポスター)をする。演題名は、「都市部とへき地で求められる総合診療医の役割の違い」。ここで1段落つく。
 この時期は島前病院で1カ月間研修をさせてもらっていた。診療所見学や訪問看護、訪問リハ、看護助手のバイトと、地域に積極的に出る機会や、多職種連携を肌で学ぶ機会が多くあり、その経験も抄録作成に大いに役立った。一生忘れられない経験ができた。

写真:総合診療センターで発表アイディア出し:多数の付箋!!


・4月〜6月 ポスター作成(発表1-3ヶ月前)
 ポスターの作成を行う。これも初めての経験で、レイアウトから文字や写真のサイズまで、ここでもセンターの先生のお力を借りて乗り切る。
・5月 Preプレゼン
 センターのコアメンバーミーティングでPreプレゼンを行う。本番より緊張!講座配属でお世話になった病院の先生からもアドバイスをいただき、ポスターを作り直す。

*コアメンバー:地域で勤務する総合医で、センターの活動を中心的にサポートする先生方


・6月 ポスター印刷(発表直前)
 学会で発表するポスターが完成する。印刷されたポスターを見てテンションが上がる。


・6月 学会発表
 ポスター発表本番。終日掲示して、昼に1時間質疑応答を受ける。学外の様々な人からフィードバックをもらう。

ともかくたくさんの総合医に会いに行こう!と始めた講座配属の活動が、周囲からの評価で、得難い貴重な経験であったことを認識できた。 

講座配属の発表会やPreプレゼンと比べると、緊張することはなく、活動を振り返るいい機会になり、楽しかった。

写真:ポスター前で質問に応じる、渕井くん

〈1年間振り返って〉

講座配属で総合診療医センターへの配属が決まり、「総合診療医っていったい何なのか知りたい!」という思いから、無我夢中に島根県中の病院を飛びまわりました。そこで出会った総合医の先生方が、それぞれの地域でニーズオリエンテッドな医療を提供しているリアルな姿は、学生の自分にとって刺さるものがありました。素朴な疑問から始まった活動が学会発表にまで繋がり、とても貴重な経験をさせていただきました。

講座配属から学会発表までお世話になったすべての方にこの場をお借りして感謝申し上げます。あの時なんか面白そうだなって直感を信じて、配属先に総合診療医センターを選んで本当によかったです。ありがとうございました。