皆様　こんにちわ。ミシガンから和足です。

雑誌総合診療の2022年12月号　レクチャーの達人-とっておきの生ライブ付き！-という特集号で我々しまねを代表して和足が代表して”総合診療医の研究”というテーマでお話させていただきました。実は先週とある県の5年目医師(地域医療現場で総合診療医をめざす方)から直筆の丁寧なお手紙をセンターにいただきました。このビデオの件でお会いしたことない先生から直接連絡をいただくのは3回目でした。直筆のお手紙は初めてで驚きました。

あまりない事ので、雑誌の付録だけで済ませるのではなく総合診療に興味がある方全員に対して公開した方が良いのではないかと考えました。特別に医学書院様から許可を得てこちらでも発表させていただくことになりました。詳細はぜひビデオを見ていただければと思います。お粗末なもので少し恥ずかしいですが。

この内容の多くは最後に添付する自分が発表してきた論文になります。もしよろしければ参考にしてください。

下記がKey messageです。

総合診療が日本でさらに爆発するためにはまず臨床と教育が大事です。
しかし総合診療医学が本当に”学”、つまり”学問”であるのであれば、研究面での貢献は絶対に必須です。しかし、総合診療医としてどんなことをやったらいいのか、人気のトレンド、国際的視点での日本からの研究業績などはあまりわかっていませんでした。

そこでPubMedに掲載されている日本の総合診療医が発表した論文を調べてみました。

日本の総合診療医による研究業績はこの６年で劇的に伸びています。大学病院は歴史的により臓器特異的な実験基礎医学が多かったですが、近年総合診療領域の全体に占める割合が減り続け、逆に臨床研究分野や公衆衛生医学での貢献が大きくなってきています。今後の課題は、大学と市中病院との所属を超えた強い連携があれば総合診療医の研究は爆発的に伸びる可能性があると考えます。

総合診療医が研究に興味を持つ視野・視座・視点 の調整が大事だなと考えてきました。自分がそうだったように、自分のクリニックだけ、自分の部署だけ、自分が担当する地域だけという考えに陥りやすいからです。

総合診療医が患者→部門→病院→地域レベルを超えて視点と視座と視野を調整できれば、世の中で起きている問題を解決したいなと自然に感じると思うのですね。これが、僕は総合診療医が総合診療の研究を実施する理由であると考えています。

 日本の総合診療が発展するためには総合診療医による臨床と教育だけでなく、国レベルでのリーダーシップと、研究面での貢献が必要だろうと考えております。これは持論なのですが臨床と教育ができることに加えて、研究ができるようになると総合診療は全てが繋がり三度の飯よりも楽しい職業になると信じています。

近い未来、若く優秀な総合診療医の先生方が大学などの学術機関でどんどんと活躍してくいことになると確信しています。

Watari T. The new era of academic hospitalist in Japan. J Gen Fam Med. 2020 Jan 30;21(2):29-30. doi: 10.1002/jgf2.299. 
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32161702/

Watari T, Nakano Y, Gupta A, Kakehi M, Tokonami A, Tokuda Y. Research Trends and Impact Factor on PubMed Among General Medicine Physicians in Japan: A Cross-Sectional Bibliometric Analysis. Int J Gen Med. 2022 Sep 14;15:7277-7285.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36133913/

Watari T, Gupta A. Comparing Japanese University Hospitals’ and Community Healthcare Facilities’ Research Contributions on PubMed. Int J Gen Med. 2023 Mar 15;16:951-960. doi: 10.2147/IJGM.S398413. PMID: 36945702; PMCID: PMC10024878.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36945702/

Watari T, Tago M, Shikino K, Yamashita S, Katsuki NE, Fujiwara M, Yamashita SI. Research Trends in General Medicine Departments of University Hospitals in Japan. Int J Gen Med. 2021 Apr 7;14:1227-1230. doi: 10.2147/IJGM.S306543. 
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33854364/