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NEURAL GP network 島根県発・総合診療医養成プロジェクト

「休んでもいいんだ」医学科3年大平

医学科3年の大平幸子です。

この度2月28日に獨協医科大学に訪問させていただきました。獨協医科大学では志水太郎先生にお会いし、診断戦略から研修医の教育について幅広い質問に答えていただきました。私は獨協医科大学のホームページを拝見した際に「医療以外にリーダーシップやマネジメント、ネゴシエーションなどの訓練を行なっている」と記載されており、詳しくどのように教育をされているかお聞きました。

志水先生のお話によると特定のプログラムがあるわけではなく臨床現場での経験の中で身につくよう教育をしているそうです。特に重要視されていることはフィードバックで、研修医が現場の中で人をまわすリーダーシップ、マネジメント、そしてそれらをつなぐネゴシエーションを育んでいるそうでした。

実際に獨協医科大学5年生の藤田大輝さんに話を伺った際にも研修先を選ぶ時にフィードバックの有無を重要視していると話されていました。志水先生に最後にサインをお願いしたところ文章でご丁寧に書いてくださいました。

懇親会の前には獨協医科大学学生の藤田大輝さんと原田美沙子さんに獨協医科大学を案内してもらいました。

懇親会では原田侑典先生と大高由美先生とお話をさせていただきました。原田先生には診断戦略の本を読んだ際に気になった「執念を持って診断する」という点について質問しました。自分が予想した稀な疾患をどこまで追うのか、複数の病理医が否定してもなぜ自分の予想を追い続けることができたのか聞きました。

原田先生が同じ「異常なし」でもニュアンスに違いがあり、99%予想する疾患を否定する場合と50%予想する疾患を否定するが歯切れが悪い場合があります。そのため病理医に直接連絡をとり、判定が曖昧なものであるか確認し自分の診断を追い続けたそうでした。これらの話を聞き、私は果たして病理医からの言葉を鵜呑みにしすぎることなく、自分の予想にどこまで執念を持ち追い続けることができるのだろうとさらに思いました。

大高先生には何事も挑戦することは大切だけど、どこかで休むことも必要だと話されていました。私も色々なことに挑戦して疲れている自分を自覚するけれども、休んでしまうと何もない無駄な期間だったと後で後悔するのではないかと不安でした。

しかし、大高先生が自身の経験も踏まえて休んでもいいのだとお話しをしてくださり気持ちが楽になりました。島根大学では病院見学にたくさん行ったり、論文を書いたりと自主的にさまざまな活動を行う学生が多数います。周りが頑張っているなら自分も頑張ろうとお互いに刺激し合っています。

しかしその裏で周りと比較してもっと頑張らないといけないと焦って生き急いでいる人もまた多数います。そのため後日開催することになった大高先生のお話は多くの島根大学生の心に刺さると思います。また女性医師として働かれている中で感じた患者からの女性医師のニーズの高さや看護師の方々から相談を受けやすいなど臨床現場の声は学生はなかなか耳にすることがないので、特に女子医学生にとって素晴らしく良い機会になるはずです。

最後に今回の見学を快く受け入れてくださった獨協医科大学のみなさま本当にありがとうございました。そしてこの企画を支援してくださった総合診療医センターの皆様に感謝申し上げます。本当にありがとうございました!