地域だけではない、大学だけでもない、持続可能な成長をし続けるための総合診療ニューラルネットワーク

NEURAL GP network 島根県発・総合診療医養成プロジェクト

金沢大学へ行ってきました!

 総診センターのメンバーは白石先生の講演会を機に、金沢大学の取り組みを学びに伺いました。

1. 現地で感じたこと

遠藤より

金沢大学に伺い、総合診療科の西岡亮先生と総合診療教育について意見交換を行いました。西岡先生は地域医療と総合診療をつなぐネットワークの活用に強い関心を寄せておられました。

特に注目されたのが、島根大学の「高度総診」です。白石センター長によるエキストラコースの正課化や、学生とともに学びを形づくるプロセスに質問をいただきました。

「高度総診」は、学内外の総合診療医が指導を実践する、A)家庭医療、B)診察技法、C)エコー、D)研究、E)胸部レントゲンコースがあり、加えてF)解剖学教室との連携授業を試行中です。学生の声から新たな学びが生まれる双方向性こそが、教育の原動力であると再認識しました。

*高度総診:高度総合診療力修得コース

波多野先生より 

今回の金沢での経験を通じて改めて実感したのは、「地域に根差した医療を実践している自分たちの姿勢が、実は外部から高く評価されている」ということです。日々の診療では自らの実践の価値を見失いがちですが、今回のように他地域の医師と交流することで、自分たちの取り組みの意義や可能性を再認識することができました。

島根での実践は決してローカルなものではなく、むしろ全国に先んじたチャレンジであり、これを牽引していく自覚と誇りを持ってほしいと思います。今後も島根はもちろん日本の医療を支えていく必要な取り組みになっていくと思います。

写真:西岡先生とともに、白石センター長、坂口先生、波多野先生、遠藤

2. 石川の医療に触れ、改めて考えた島根の地域医療の強みと今後の連携

北陸には新潟、富山、石川、福井の4県にまたがる広域ネットワーク「北陸総合診療コンソーシアム」があります。一方、島根では、若手医師が都市部と地域を横断しながら学べる「Neural GP network」を構築し、卒後早期から多様な現場を経験し、そして医学生の教育も行っているのが特徴です。

学び手が教育にも関わる「二重らせん」構造が根づいており、その取り組みは他大学からも注目されています。若手自身が学びの形を創り、地域医療を動かしていく――その流れを、これからも共に育てていきたいと思います。